停電対策にポータブル電源は必要?後悔しない選び方と容量の目安【防災・2026年】

停電時に最初に確保したいのは、「情報を得るための通信」と「安全に動くための照明」です。そのうえで、冷蔵庫や在宅の医療機器など、家庭の事情で優先度が変わる電気を上乗せして考えます。目安として、通信と照明だけなら半日〜1日分で500Wh前後(コンパクトなポータブル電源1台)、冷蔵庫まで守りたいなら1,000〜2,000Wh帯が検討ラインです。この記事では、停電の実際の長さ、電源の種類ごとの向き不向き、家庭タイプ別の考え方、安全上の注意を、公的機関の情報をもとに整理します。

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  • 停電時に、まず電気が必要になる4つのもの
  • 過去の大規模停電から見る「備える時間」の目安
  • 電源5種類(電池〜ポータブル電源・発電機)の向き不向き
  • 命に関わる安全ルールと、今日からできる備え5ステップ
目次

停電時にまず電気が必要になる4つのもの

政府広報オンラインの投稿:食品備蓄は最低でも1人3日分、できれば1週間分が目安(確認日:2026年10月21日)

「停電に備える」と聞くと大きな電源を思い浮かべがちですが、先に決めるべきなのは「何のための電気か」です。停電時の電気は、大きく次の4つに分けると整理しやすくなります。

停電時の電気の優先度:通信、照明、食品の温度管理、家庭ごとの事情の順に考える停電時に電気を割り当てる優先度の考え方1通信・情報スマートフォン・ラジオ・ルーター2照明懐中電灯・LEDランタン・足元灯3食品の温度管理冷蔵庫・冷凍庫(停電が半日を超えるほど重要)4家庭ごとの事情医療機器などは専門窓口へ事前に確認
停電時の電気の優先度:通信、照明、食品の温度管理、家庭ごとの事情の順に考える
優先度の目安用途主な機器考え方
1通信・情報スマートフォン、携帯ラジオ、モバイルルーター、Wi-FiルーターとONU安否確認、停電・避難情報の入手に直結。多くの家庭で最優先です。
2照明懐中電灯、LEDランタン、足元灯夜間の移動や作業の安全を確保します。消費電力が小さく、少ない容量で長く使えます。
3食品の温度管理冷蔵庫・冷凍庫停電が半日を超えると重要度が上がります。扉を開けない工夫で、電源なしでもしのげる時間があります。
4家庭ごとの事情在宅医療機器、乳幼児のミルク用品、扇風機・電気毛布など個別の判断が必要です。医療機器は家庭内の優先順位づけだけで決めず、後述のとおり事前に相談窓口へ確認します。

内閣府の防災情報ページは、持ち出し品の例として懐中電灯・携帯ラジオ・予備電池を挙げ、非常時に備えた食料・物資の備蓄は「各家庭で最低3日間、できれば一週間」を目安にするよう案内しています。電気の備えも、まず電池式の照明・ラジオという「電源に頼らない手段」を土台にして、その上にポータブル電源を足すという順番が基本です。(出典:内閣府 防災情報のページ「自然災害への備えは万全ですか?」、確認日:2026年10月21日)

容量帯ごとに守れるものが増える:300Wh帯以下はスマホ・照明、500Wh帯はWi-Fi、1,000Wh帯はテレビ・在宅勤務、2,000Wh帯は冷蔵庫を1日容量帯ごとに「守れるもの」が増えていく300Wh帯以下スマホ・照明モバイルバッテリーでも対応可500Wh帯+Wi-Fiルーター約20時間(一人〜4人・半日)1,000Wh帯+テレビ・在宅勤務冷蔵庫は約25時間(半日程度まで)2,000Wh帯+冷蔵庫を1日冷蔵庫 約48時間1日以上の停電に
容量帯ごとに守れるものが増える:300Wh帯以下はスマホ・照明、500Wh帯はWi-Fi、1,000Wh帯はテレビ・在宅勤務、2,000Wh帯は冷蔵庫を1日

停電はどれくらい続く?過去の大規模停電から考える

日本の停電は、平常時は世界的に見ても少ないとされています。資源エネルギー庁は、日本の停電時間・停電回数の実績は欧米諸国にくらべてきわめて低い水準にあると説明しています。ただし、台風・地震などの大規模災害では、長時間の停電が実際に起きています。(出典:資源エネルギー庁「あらためて学ぶ、『停電』の時にすべきこと・すべきでないこと」)

  • 2018年9月 北海道胆振東部地震:北海道全域で停電(ブラックアウト)が起き、最大約295万戸が停電しました。発生から約2日で、そのうち約99%が復旧したと資源エネルギー庁は説明しています。(出典:資源エネルギー庁「日本初の“ブラックアウト”、その時一体何が起きたのか」)
  • 2019年9月 令和元年房総半島台風(台風15号):送電線の鉄塔や電柱の倒壊などにより、首都圏を中心に最大約93万4,900戸が停電しました。現場の被害確認や倒木の処理に時間を要して復旧作業が長期化し、通信障害や断水などにもつながりました。(出典:内閣府「令和2年版 防災白書」)

この2つの例から分かるのは、停電の長さは災害の種類・被害の場所・地域の状況で大きく変わるということです。「何時間もつ電源を買えば安心」という一つの答えはありません。だからこそ、備える時間を3段階に分け、自分の家庭がどこまで備えるかを決める考え方が役に立ちます。

段階想定するケース備えの中心
3時間程度短時間で復旧する一般的な停電スマートフォン・照明。モバイルバッテリーと電池式ランタンで足ります。
半日〜1日夜をまたぐ停電、地域の広い停電通信機器の継続、照明、必要なら冷蔵庫。ポータブル電源が力を発揮し始める範囲です。
1日以上台風・地震による広域・長期の停電電源だけでは解決しません。備蓄、避難、自治体・電力会社の情報とあわせて判断します。

時間別の考え方は、停電は何時間続く?3時間・半日・1日で考える電源の備えで詳しく解説しています。

電源5種類の向き不向き

停電時に電気を確保する手段には、それぞれ得意・不得意があります。

手段向いている使い方弱点・注意点
乾電池・モバイルバッテリースマートフォンの充電、小型ライト、ラジオ容量が小さい。冷蔵庫やWi-Fiルーターなどの家電は動かせない。
ポータブル電源(蓄電池)通信機器・照明・小型家電・冷蔵庫(容量帯による)容量には上限があり、使い切れば再充電が必要。高出力の家電は動かせない場合がある。使用条件は取扱説明書に従う。
携帯発電機燃料がある限り長時間の発電屋内・車内・テント内では絶対に使えない(一酸化炭素中毒の危険)。燃料の備蓄・保管管理も必要。
自動車の電源スマートフォン充電、車種によっては家電の給電車種・装備によって使える電力が異なる。取扱説明書で確認が必要。
太陽光発電の自立運転機能日中に、特定コンセントから電気を使う対応設備が設置済みの住宅のみ。夜間や悪天候時は使えない。感電がないか十分に確認してから使う。

マンションなど屋内で使うことが前提の家庭では、燃焼を伴わないポータブル電源が現実的な中心になります。発電機を選ぶ場合の危険性は、携帯発電機とポータブル電源の安全な選び方で確認してください。

家庭タイプ別の考え方(容量の目安)

必要な容量は、家族の人数ではなく「何の機器を、何時間動かしたいか」で決まります。あくまで目安として、次のように考えると迷いにくくなります。計算の手順はポータブル電源の容量を計算する方法で解説しています。

備えたい内容容量帯の目安考え方
スマートフォン・照明を数回分300Whクラス以下モバイルバッテリーと電池式ランタンが基本。ポータブル電源は「あると安心」の位置づけ。
通信+照明を半日〜1日(家族分)500Wh前後スマートフォン複数台とWi-Fiルーター、LED照明を中心にした最低限の備え。
上記に加え、テレビ・小型家電を少し1,000Wh前後出力(W)も同時に確認。ドライヤーなど高出力の家電は動かせない場合があります。
冷蔵庫も含め、1日程度を守りたい1,000〜2,000Wh冷蔵庫は機種の消費電力量から個別に計算します。重量が10kgを超える機種が増えるため、置き場所も決めておきます。

家族構成やペット、在宅勤務の有無によって考える点が変わります。家族構成から考えるポータブル電源の選び方もあわせてご覧ください。

医療機器を使っている場合は、事前に専門窓口へ確認する

在宅で使う医療機器(人工呼吸器や在宅酸素など)は、電源の容量だけで安全を判断してはいけません。停電時の対応方法や、使える代替電源の条件は機器・症状によって異なるためです。主治医、機器メーカーや在宅医療の担当窓口、お住まいの自治体に、平常時のうちに停電時の対応方法を確認してください。この記事や当サイトの情報は、医療機器の使用可否を判断するものではありません。

停電時に守りたい安全ルール

経済産業省の投稿:屋内で発電機を使うと一酸化炭素中毒の危険があるため、屋内では絶対に使用しない(確認日:2026年10月21日)

電気を確保する方法によっては、命に関わる事故につながります。公的機関が繰り返し注意喚起している内容を確認しましょう。

  • 発電機は屋内で絶対に使わない。資源エネルギー庁は、発電機の排気には一酸化炭素が多く含まれており、屋内では絶対に使わないこと、屋外で使う場合も排気が屋内に入らない設置にすることを案内しています。
  • 停電復旧後の「通電火災」に注意する。停電する直前まで使っていた電化製品は、復旧すると急に通電します。避難のため家を離れるときは、必ずブレーカーを切ります。
  • 切れた電線や倒れた電柱に近づかない。感電のおそれがあります。見かけた場合は、電力会社(一般送配電事業者)へ連絡します。
  • 太陽光発電設備にむやみに近づかない。破損していても、光が当たっている間は発電を続けます。
  • ポータブル電源も取扱説明書に従う。使用場所・保管温度・水濡れ・充電方法は、必ず型番ごとの説明書で確認します。

(出典:資源エネルギー庁「あらためて学ぶ、『停電』の時にすべきこと・すべきでないこと」、確認日:2026年10月21日)

今日からできる備え5ステップ

  1. 自宅の停電情報の入口を確認する。住んでいる地域の一般送配電事業者のサイト・アプリで、停電地域や復旧状況が確認できます。連絡先も控えておきます。
  2. 電池式の照明とラジオを用意する。電源に頼らない手段が、すべての備えの土台です。
  3. 「止めたくない機器」を書き出す。機器名・消費電力(本体の銘板や取扱説明書に表示)・使いたい時間を紙に書きます。
  4. 必要な容量(Wh)を計算する。手順は容量の計算方法にまとめています。
  5. 候補製品を公式仕様で比較する。容量・出力・重量・充電時間・保証を、メーカー公式ページで確認します。比較の軸は災害用電源の選び方で整理しています。

停電発生から24時間の行動手順

停電直後:安全確認を最優先

地震、台風、浸水などを伴う停電では、電源確保より先に身の安全を確認します。家電の破損、水濡れ、焦げたにおい、ガス漏れなど異常があれば、ブレーカーや機器へ不用意に触れません。自治体、電力会社、消防などの案内を確認し、避難指示が出た場合はポータブル電源を使い続けるために自宅へ残らないでください。

最初の3時間:通信と明かりを確保

スマートフォン、ラジオ、LED照明を優先し、停電範囲と復旧見込みを確認します。Wi-Fiルーターを動かしても通信事業者側が停止していれば使えないため、モバイル通信やラジオも併用します。冷蔵庫は扉の開閉を減らし、食品の温度上昇を抑えます。

半日まで:残量を時間で管理

ポータブル電源の残量%だけでなく、現在の出力Wを確認します。残量が半分あるように見えても、電気ケトルや暖房器具を使えば短時間で減ります。テレビ、パソコン、調理家電は必要な時間だけ使い、夜間の照明と翌日の通信分を残します。

24時間以上:使う家電をさらに絞る

復旧見込みが立たない場合は、冷蔵庫、通信、照明のどれを優先するかを決め直します。充電できる場所、避難所、給電拠点の情報を確認し、移動が必要なら暗くなる前に判断します。ソーラーパネルは天候と設置条件で発電量が変わるため、毎日必ず必要量を充電できるとは考えません。

ポータブル電源を買わずに備える選択肢

停電対策はポータブル電源だけではありません。スマートフォン用モバイルバッテリー、乾電池式ラジオ、LEDランタン、カセットコンロ、保冷剤、飲料水、非常食を組み合わせれば、電気への依存を減らせます。短時間停電が中心で、冷蔵庫や在宅勤務を守る必要がない家庭では、この組み合わせのほうが安く、軽く、管理しやすい場合があります。

一方、医療・介護機器、在宅勤務、乳幼児のミルク、夏の送風など電気を切らせない事情がある家庭では、必要W数と時間を計算したうえで電源を用意します。購入するかどうかは、停電時間の不安ではなく、「止められない機器があるか」で判断してください。

家族で共有する停電メモ

停電は家族が別々の場所にいるときにも起きます。冷蔵庫の横や防災用品の近くに、次の内容を書いた紙を置いてください。

  • ポータブル電源、ライト、ラジオ、充電ケーブルの保管場所
  • 最初に動かす機器と、残量が減ったら止める機器
  • 電力会社、自治体、家族の連絡先
  • 避難場所と、集合できない場合の連絡方法
  • 医療・介護機器の停電時対応と相談先

電源があっても、家族が自由に家電をつなげば残量は早く減ります。「残量30%になったら通信と照明だけにする」など、切り替え基準を決めておくと迷いません。紙ならスマートフォンの電池がなくても確認できます。

よくある質問

Q. ポータブル電源は、停電に備えて必ず必要ですか?

必須ではありません。短時間の停電なら、電池式ライトとモバイルバッテリーで足りる家庭も多くあります。半日以上の停電で「通信を維持したい」「冷蔵庫を守りたい」など、明確な目的がある場合に検討する価値が出てきます。

Q. 何Whのポータブル電源を選べばよいですか?

家族の人数ではなく、動かしたい機器と時間で決まります。通信と照明が中心なら500Wh前後、冷蔵庫まで含めるなら1,000〜2,000Whが検討ラインです。詳しい計算は容量計算の記事をご覧ください。

Q. 停電がいつ復旧するかは分かりますか?

各地域の一般送配電事業者が、停電地域・発生日時・復旧状況を公式サイトで公開します。過去の平均をそのまま今回の停電に当てはめず、公式の最新情報を確認してください。

Q. ポータブル電源は家の中で使っても安全ですか?

発電機のような排気ガスは出ませんが、無条件に安全とは言えません。水濡れ・高温・可燃物の近くでの使用・衝撃を避け、型番ごとの取扱説明書に従ってください。

Q. ポータブル電源は満充電のまま保管すればよいですか?

製品ごとに推奨される保管残量と点検頻度が異なるため、取扱説明書とメーカーの最新案内を確認してください。長期間放置せず、定期的に残量、外観、端子、ケーブルを点検します。高温、多湿、水濡れ、直射日光を避け、異常な発熱、膨張、異臭があれば使用と充電を中止してください。

出典(確認日:2026年10月21日)

この記事は停電そなえ帳編集部が、上記の公的機関の情報をもとに作成しました。医療機器の使用可否や個別の安全判断を行うものではありません。

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この記事を書いた人

停電時の電源選びを、機器・時間・容量から整理しています。

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